「自信がない」「就活が不安」「仕事が怖い」と感じる大学生に畑を勧めたい3つの理由

農スクールという活動をしていることもあり、長いこと引きこもっていたり、精神的な病気を持っていたり、働くことに自信を持てない人と話す機会が結構あります。

そういう人たちが農作業を通じて元気になっていく姿、自信をつけていく姿を見て、「畑凄いな」とよく感心してしまいます。

また、体験農園コトモファームでスタッフとして働き、インタビューなどでお客様の声を聞き、生活の中に畑があるのは精神衛生上すごくいいと思うことが多々あります。

そんな中、農園に学生さんが来ることがあるんですが、卒業が近づき「働く自信がない」「これからの事が不安だ」という相談をちらほら受けます。

自分の学生時代も振り返ってみて、案外同じように不安に思っている大学生もいるのではないか。

そう思ってちょっと調べてみたんですが、自分や家族の進学や就職や結婚について悩んでいる人は、自分6人に1人、家族4人に1人くらいの割合みたいです。

(内閣府:平成26年「国民生活に関する世論調査」http://survey.gov-online.go.jp/h26/h26-life/zh/z24.html

あと、これは大学生に限らずですが、悩みや不安を抱えている人が増えているようです。

(上の折れ線グラフが「悩みや不安を感じている」人の割)

(内閣府:平成26年「国民生活に関する世論調査」http://survey.gov-online.go.jp/h26/h26-life/zh/z23.html

それで今回は、悩みや不安を抱えた大学生にこそ、畑をぜひ勧めたいと思ったので、その理由を書いていきます。

 

「自信がない」「就活が不安」「仕事が怖い」と感じる大学生に畑を勧めたい3つの理由

<目次>

1 自信がつく

→ネットは自分のことを棚上げしやすい

→あれもこれもとなって振り回される

→畑に出ると、身の丈を知れる

→身の丈を知ったら振り回されない

→身の丈を伸ばせたら自信がついていく

2 気持ちが明るくなる

→畑に出て初めて自分の気持ちの暗さに気がつく

→手持ち無沙汰が無くなる

→運動して体調が整ったり、食習慣も変わるかも

3 自分や社会が客観視できる

→生活を外から眺められる場所としての畑

→色んなアイデアが浮かぶ畑

→「食べ物を育てることは生きるために必要」という分かりやすさ

→自給自足から世の中を考えてみる

 

1 自信がつく

→ネットは自分のことを棚上げしやすい

ネット(特にSNS)の世界にどっぷり浸かっていると、「すごくないと生きてちゃいけない」みたいなメッセージとして感じちゃうことないですか?

まあよく色んな人が叩かれているし。著名人の発言に否定的な発言を述べる匿名の人がいたり。

そういうのを見ていると「完全超人じゃないとあかんのんかい!」と思っちゃいます。

→あれもこれもとなって振り回される

あと情報の量が多すぎて、「あれもこれもやらなきゃ」と思って空回りし、結局どれもモノにならず。そんなことありませんか?

政治とか経済とかマクロなことに関心を持つことは大事ですが、自分がすぐに関われることは投票とか署名とかくらいなもので。

現状を変えようと思うのなら深く関わり、時間をかける必要があるんですが、あっちこっちに気がいって何もせず時間だけが流れていく。

じゃあどうすればいいか?

→畑に出ると、身の丈を知れる

畑など身体を使う場所に出ると、身の丈を知ることができます。すごく具体的に。

「2時間あれば22㎡の面積の草を刈れる」とか「3時間あれば22㎡の面積スコップ一本で耕せれる。」とか。

(22㎡はこのくらいの広さ)

そんなん知って何になるんだ!と思うかもしれないですが、これすごく大事ですよ。特に無能感を感じている、自信がない人とっては。

畑に出ていると、自分が全能でも無能でもなくて、微能?ってことが分かってきます。

100でも0でもなくて、5くらいだと。すごいことはできなくても、何もできないわけじゃないと。

→身の丈を知ったら振り回されない

就活だとよく分からない能力で判断されるじゃないですか。

「コミュ力」とか意味わかんなくないですか?

目に見えない、よく分からない能力で判断される場にいると右往左往しません?

面接で落ちると、自分のコミュニケーション能力に自信もなくなってきて「ああ俺コミュ障だわ」「コミュニケーションできない」とか思うようになったり。

それと比べて畑は目に見えるわけです。草を刈ったら刈ったところが目に見えて、自分の「刈り力」?がすぐ分かる(笑)

→身の丈を伸ばせたら自信がついていく

「刈り力」あるなしは分かりやすいので、努力しがいがある。ちょっと早くなったなとか時計みればわかる。しかも毎回終わった後「ああ、頑張ったぜ」と達成感もあります。

この分かりやすく自分の成長を実感出来る経験が自信を育てると思います。

あと、畑仕事をして体つきが変わろうものなら、すごく自信になります。文字通り身の丈が伸びた(笑)ことを目で見て実感できるのはすごくいいですよ。

→何かに自分が関わって「成し遂げた」ということを味わえる

しかも自分が種を蒔き、収穫まで行うので全体像がよく見える。

初めから終わりまで関わって、やったことは「成し遂げた」ということが味わえます。

企業の人事などをやられてきた慶應義塾大学特任教授の小杉俊哉先生もこうおっしゃっていました。

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「野菜と関わっていると、育てる喜びがある。自分が種をまいた ものが育っていくことはすごく充実感がある。何かに自分が関わって「成し遂げた」 っていうことはなかなか仕事では味わえない。仕事で達成感を味わえない人っていっぱいいますよね。全体像が分からないまま、この仕事をやれって渡されて、やって怒られて、それを毎日こなしていくって。充実感が味わいえない人が多いです。」

ーーーーーーーーーーーーーーー

(→小杉先生のインタビューへ

(芽が出てきた時は感動!)

どのくらいの時間をかけたらどのくらいのことができるのか、自分の身一つの力を知ることができる。

さらに、何かに自分が関わって「成し遂げた」ということを味わえる。

野菜を育てるのにはそんないいことがあります。

2 気持ちが明るくなる

(開けた場所での畑仕事)

→運動して体調が整ったり、食習慣も変わるかも

体を動かしたらお腹もすくし、眠たくもなる。体調が整う気がします。我々は静物ではなく動物ですから動くほうがいいんでしょう。

「運動が体だけじゃなく、心の健康にもいい」というのは様々な研究で言われていることで、

週135分以上の運動で抑うつのリスクが約半分に減少する、と実証するデータも

出典:甲斐ら, 体力研究, 2011(執筆:甲斐裕子)

(公共財団法人明治安田厚生事業団HPより引用 http://www.my-zaidan.or.jp/tai-ken/information/mental/index.html

日頃から運動するのは心の健康にとてもいいからオススメと言いたいのと、その運動の選択肢の一つとして畑仕事があるよと言いたいです。

畑仕事、特に手仕事はいい運動になり、例えば我々の行っている体験農園コトモファームは週に2時間程度の畑仕事で野菜を育てるというものなので、ちょうどいいと思います。

7坪(22㎡)という専有体験エリアの広さによって、いい運動の場にもなっています。

しかも野菜が採れるので、日頃あまり食べない人でも食べようって思うようになりますよ。

多く採れたら、友達や家族にあげてもいいかも。喜ばれますよ。

→屋外、一人で居られる場所って案外ない

日頃から、しかも一人でも行けてくつろげる外にある場所って案外なくないですか?

公園でも一人でいたらなんか手持ち無沙汰だし、隣にカップルとかいたらもう(笑)

外で運動するにしてもランニング・ウォーキングはモチベーションの維持が難しいし、球技系は複数人集めるのが難しい。

畑に来れば、一人でいても何ら不思議はないし、やることはあるし手持ち無沙汰が解消されます。

家族で来られる方もいらっしゃいますが、一人で来られる方も多くいらっしゃいます。

しかも人混みからは外れた場所なので、周りの目は気にならない。

農園に他の人がいたとしても、その人も畑仕事しているわけで。

→畑に出て初めて自分の気持ちの暗さに気がつく

閉じこもっていると知らず知らずのうちに気持ちが暗くなります。

自分の気持ちが暗くなっているかどうかは案外自己モニタリングが難しいです。

外に出て運動して初めて、さっきまで気持ちが暗くなってたと分かることが多い気がします。

体動かすとやっぱ気持ちいいですよ。しかも周りが開けた場所は特にいいです。

最初にあげた農スクールや体験農園コトモファームで効果が上がっているのは、人里離れ建物に囲まれていない環境での野菜作りだからこそだと思います。

気持ちが暗くなった時、意識的に「明るくなろう!」としても無理がありますよね。

具体的な方法として「畑に出る」はとても効果があるんじゃないかと思っています。

気持ちが明るくなったら不安も解消されていくと思います。

3 自分や社会が客観視できる

→生活を外から眺められる場所としての畑

日頃の生活を改める一番の方法は日頃の生活から離れることです。

この点、旅行とかもいいかもしれませんね。

私自身の経験としては、年に1度か2度田舎に帰るのですが、日頃の生活を振り返る際のいい機会になっています。

学校や家、サークルなどから離れ、自分を知る人がいない場所にくると気持ちが軽くなりますよ。

田舎に行くことや旅行に出ることはすぐにできなくても、週末畑には結構気軽に来られます。

都市の雑多から離れ、畑でボケーっとするのはとても気持ちが整います。

→色んなアイデアが浮かぶ畑

深刻に悩んでいたことが実は大したことなかったと気づいたり、袋小路だと思っていたとこにこうやってみようとアイデアが浮かんだり。

畑は思索する場所として最適だと「半農半X」提唱者の塩見直紀先生は言われています。

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「僕は農作業するときは紙とペンを胸のポケットにいつも持っています。ひらめきがあるときは書き留めるんです。現代人にはこうした思索が大事ですね。僕は「哲学の田んぼ」って言ってるんですけど。京都の「哲学の道」のように、田んぼも畑も哲学すること、思索することがとても重要だと思う。ぐるぐる考える、畑で瞑想するだけでもいいんです。市民農園で体を動かしながら瞑想。ウォーキングメディテーション、農的メディテーション、おすすめです。」

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(→塩見先生のインタビュー記事へ

→「食べ物を育てることは生きるために必要」という分かりやすさ

世の中複雑じゃないですか?

分業が進み、全体像が見えないと、この仕事意味あるのかなとか、思うこともあるかもしれません。

会社だけじゃなく、社会全体でも分業が進んでいるので、そもそもこの会社って社会的にどんな意味があるんだ、とか。

会社が存続してるってことは意味があるんだろうと思っても実感は伴わない。実感がないのに就活で「この会社に入りたい」とは思いづらくモチベーションに繋がらない。

仕事は仕事、休日を充実させられればいいと思えるほど器用じゃない。

7年前くらい就活した時「御社が第一志望です」と色んな会社にいうのが辛かったなぁ(笑)

そういう人には野菜作りがいいですね。お米でもいいですが、食べ物を育てるのは生きるために必要なことをしていると分かりやすい

(いろんな野菜が育てられます)

→自給自足から世の中を考えてみる

都会で消耗していると「田舎での自給自足暮らし」に憧れることがあるかもしれません。

実際にその生活に踏み切ることはすごい決断です。

ここでお勧めしたいのが100%自給ではなく、自分の食べるものを実際に自分の手で作ってみる、ちょっとでも自給自足率をあげようとすることです。とてもいい勉強になると思います。

100%自給自足を突き詰めて考えると、おそらく無理だという考えに行き着くはずです。

人間誰しも乳幼児で生まれてヨボヨボになるって考えたら、全て自分だけで生活を成り立たせるのが無理なわけで。

「霊長類仲間のゴリラだって集団で力合わせて暮らしてるしな」と(笑)

自分の手でできることから始めて、衣食住を成り立たようとすると

「アァ俺の生活はいろんな人の仕事のおかげで成立してるんだなぁ」と感じると思います。

着ている服とか、土を耕すクワに使う鉄とか、実はすごいクオリティの高い仕事の上で供給されていると驚きます。

そのように身の丈から生活を考えると、「こういう仕事したいかも」と見つかるかもしれないですね!

●終わりに

長々とここまで読んで頂きありがとうございます。

商売なので、畑に興味を持ったら我々の体験農園コトモファームに来て欲しいですが(笑)、それ以外の道も紹介しておきます。

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