一人で始めた菜園も、いつしか親子で、畑仲間とともに
南さん親子・広告デザイナー/小学生 藤沢市在住
―自然栽培に興味を持って始めた畑
お母さん:
地球の未来を考えるという講演会へ行ったときに初めて農薬の危なさや「自然栽培」という言葉を知って興味を持ちました。まずは自分の家庭から美味しくて安全な野菜を食べようという思いで畑を始めました。
畑を始めて虫が平気になりましたね。野菜が美味しいと思うようにもなりましたし、元気な野菜を見分けられるようにもなった気がします。野菜の食べ方もシンプルになりました。
息子さん:
野菜は、トマトはよく食べてたけど、大根の味噌汁が好きになった。買ってきたやつと全然ちがう。
お母さん:
葉物とか全然食べなかったのに、食べるようになったよね。畑でやった餅つき大会の時に、大嫌いなネギを『これは美味しい!』と言って食べていたのにはびっくりしたよ。
―子育てしながら、仕事もしながら、畑も。不安だった
お母さん:
仕事は、広告とかを作るデザインの仕事をフリーランスでやっています。
始める前は、家族で私一人がやりたいって言っていて、下の子もゼロ歳のころだったので、そんなので大丈夫かなという不安もありました。だから踏み切るのにちょっと勇気がいったんですが、悩んでいるよりはとにかくやってみようと。
夫と長男(陽紀くん)は私が畑をやると言っても反対はしませんでしたが、一緒にはやらない、興味ないというスタンスでした。本当に私一人でできるだろうか、と心配でしたね。加えて、これまで自然に触れるということがなかったので未知の世界に足を踏み入れる漠然とした不安もありました。とりあえず1年やってダメなら辞めようと思い入会しました。
―周りからのサポートもあり、楽しく続けている
お母さん:
ちゃんと育って収穫はできるのか、電車とバスで通っているので収穫した野菜は持って帰れるのだろうかという心配もありましたが、先生や周囲の人のアドバイスをいただきながら楽しく続けることができています。
収穫したものを見たり食べたりすることで家族も興味を持ってくれて、夏の雑草刈りの大変な時に手伝ってくれたり耕してくれたりもします。やってみたら子供が興味を持ってくれて、それもよかったです。今日もすごく大きい木の根みたいなものをとってくれました。頼りにしています。頻度は月に一回くらい一緒に来ていますが、虫がいない時期はちょっとつまらないみたい(笑)
息子さん:
うーーん。まぁ。
お母さん:
子どものうちから畑に触れることによって、一度畑や自然から離れる時期があっても、また自然を求める時がくると思います。土に触れることによって自然の偉大さや感謝の気持ちを持ってくれるといいなぁと思います。
畑で立派に育っているニンニク
―聞きやすい雰囲気があり、いろんな方との交流もあったり頼りになる
お母さん:
全然見ず知らずの人が畑に集まって、みんな自分のペースで他の人を害さないでやっているところがすごい魅力的かな。声をかけてくださったりとか、採れたものをくださったりとか。うちはあまりできなかったけれど、お隣はたくさんできてて「どうやったんですか?」とか、「去年はよかったのに」とかを話せて。一人でやるみたいな感じだけど、いろんな方との交流もあったりして頼りになります。聞きやすい雰囲気があるのがとてもいいなと思います。
畑には10時半からお昼くらいまでいます。冬はもう少し短いですね。行くまでに電車とバスで45分くらい。あまり作業に時間を取れないので前日までに何をやるか決めてくることが多いですね。帰りには畑の近くにベビー用品のお店があるのですが、そこで次男のものを買うこともありますね。畑に来る時は、次男は夫に見てもらっています。
採れた野菜は3日以内に食べるようにはしていますね。今日食べるものを今日採れると一番いいんで、そういう環境にありたいと思ったりもしますね。今はマンション住まいなので、庭があるといいなとか。田舎の方にはそういう家とかありますよね。でも藤沢をはなれる気はあまりないですね。海あり、山あり、畑ありでいいところだと思います。
―案ずるより産むが易し。大変なことも多いけど、楽しいことも多い。
お母さん:
収穫して食べる喜びもありますが、成長の様子を見て楽しめるのは自分で育てるならではのことだと思います。作り方なんかも、まだ畑を始めて一年で掴めていないし、やっていくにつれて難しいこともあると思うので、もうちょっと勉強したいなと思います。種も自分で採り始めたので、その種で野菜を栽培できるようになったらいいなと思っています。
雑草も多いと大変ですが、春先に可愛らしい花を咲かせているのを見ると心が和み、季節の移り変わりを肌で感じられて嬉しいですね。一人で畑を始めても周囲の人からのアドバイスをもらいながらやっていけるので、そんなに不安にならずにやってみたらいいんじゃないかなと思います。「案ずるより産むが易し」ですね。
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