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畑で過ごす週末。健康診断がオールAに。


荒井さん 40代 会社員 田園都市線在住

会社に勤めながら、週末コトモファームで家庭菜園を楽しむ。

ー初めは田舎暮らしへの憧れから、週末は農業体験へ

田舎暮らしをしてみたいというのが漠然とあったのですが、実際に田舎暮らしに動くことができなかったんですね。もうすぐ子供も小学校に入りますし。今回タイミングを失っちゃったのですが、それでもやれることから始めてみようと、畑くらいはやってみたいなと思ったんです。

どうせ野菜を作るんだったら、無農薬とか肥料を使わないのをやりたい。普通スーパーとか売ってるのって農薬とか化学肥料を使うじゃないですか。あれって安定的に供給しないといけないから使うんだろうと理解していて。でも自分が食べる程度だったら、安定して作れなくてもいいので、無農薬、無肥料で挑戦したいなって思いました。「有機肥料」という選択肢もあるけど、家畜の飼料がどこのものか探るのが困難だったり、原発による放射能汚染肥料が流通していたことから、自分は積極的になれなかったですね。自分のわかる範囲で、なにか育てて作れたらいいなと思って。

最初は近所で探してみたんですけど、なかなかそういった畑を貸すところってないんですよね。うちは農薬でとか、有機までですとか、そういうところがほとんどで。その点、コトモファームに関しては自然栽培をやってるというのが、惹きつけられましたね。私は田園都市線沿いに住んでいるんですけど、コトモファームに通うには遠い。この距離どうしようかと正直思いました。車もないし、迷ったんですけど、通う気になれば通える、唯一自分がやりたいことがそこにあるのなら行ってみようと決心しました。ちょうどその頃、本屋さんの農業コーナーで「ホームレス農園」という著書を見かけて、あれ? コトモファームをやっている人と著者が同じ人だなと気がついて。それでこの人、畑だけじゃなくて、ユニークな活動もしてるなと思って興味がわいたっていうのもありますね。

ー一歩踏み出してみたら、予想以上に面白い「野菜作り」

僕は頭の中で考えて行動に移さないことが多いんですけど、やってみてダメだったらそこで諦めがつくし、やって良かったら続ければいいし。とりあえずやってみようかと。昔から飽きっぽいんで、どうかなと思ったんですけど、でも意外と続いてるなって。朝の野菜作り講習に出て、作業に夢中になっていると、いつの間にか夕方になっていることが多くて。隣の人から、何をそんなにやることあるのって聞かれたことがありますけど(笑

始まりはそんな感じで。2015年の春からですね。

ー奥さんも肯定的に。お子さんにも良い影響が

奥さんに、最初、畑をやってみたいんだって言った時に、長いこと新しいことをやるってことがなかったんで、そういうのがあるんだったらやってみればって、すぐに背中を押してくれて。

あと子どもが虫嫌いだったんですよ。僕なんて昔、子どものころ虫をつかまえては遊んでいたんですよ。なんで怖がっちゃうのかなって。近くに土と遊べる環境があればいいなと思いましたね。だったら自分のやりたいことをやって、それに巻き込めば、そういう環境をね、手に入れることができるかなって。子どもはときどきね、習い事もあって毎週は来れないんですけど。

子どもは今年の春に小学生ですね。また別の隣で畑やってる子は一生懸命くわ持ってがんばってるけど、うちの子は「まだ帰んないの?」とか、野菜を掘る時くらいしか喜んでこない(笑

収穫は大好きなんだけど、しょうがないかなって感じですね。まだ小さいし。

虫嫌いも完全に治ったわけじゃないですけど、持てる虫とかも出てきましたね。

前は一切無理だったんですよ、完全に敵みたいな感じで。畑やってる時に、虫さんがね、土の中でね色々営んでいるからお野菜ができるんだよって、話をしながら、わかってるかどうかわかんないけど、話は聞いてくれてますね。

結果的に自分の好きなことをやって、それに巻き込んでよかったと思ってます。奥さんも別に不満ないですし、畑はSNSのネタにすごくいいみたいで。子どもは子どもで同世代の友だちができて、いいと思いますね。隣の子が来てるかなって気にしていて、再会するとお互い大きな声で名前を呼び合って遊んでいる。でもこうも思うんですね。やる気をもった隣のお兄ちゃんがすごく畑頑張ってるから、うちの子がその子を見習ってやるようになったらいいなって。

ー畑との関わり方は人それぞれ

家庭菜園とか農業っていうのは、難しいものではないんじゃないかなって。

農業で生活するわけじゃないんで、最低限自分のものを作るとか気軽にできることをやれば。特にこの自然栽培、農薬を使わないのは安心して子供を畑に連れて来れますよねやっぱり。誤って口に入れちゃうとかそういうの怖いですよ。まずそれがないのがいい。それと畑って毎日見るとか、水あげるとかしないといけないんじゃないかって思ってたんですけど、ほとんどあげないんですよね。雨だけで。それって多分知らない人も多いと思うんですよ。

ここでは、農業をとことん取り組みたい人、自分の生活を大事にしながら気楽に農業をやりたい人も、どちらでもできるのが自分にはよかったなと。例えば自分はとことんやりたいなって思いながらも、過去の自分を考えると、適当にできる方がいいのかなって。今週はちょっと行きづらいなとか、ある程度ほったらかしても大丈夫な部分が安心したんです。だからほんと農業を全くやったことがない、とりあえずやってみるぶん、入門編として入りやすいところだと思いますね。

ー始めてみて自家採種にも興味が

最初はそこまで興味があったわけじゃなくて、コトモファームに入ってから興味が出ました。固定種のことをここに入って初めて知りました。ほとんどがF1なんだなって。そういうなんかね、今までは全く知らなかった世界が知れて。

最初は本当、収穫ができればいいと思ってたんですけど、だんだんやってると収穫よりも、育ててて、それがさらに種っていうものでつながるのが面白そうだなと思って、その種でまた育ったら面白いなって思って、そしたら本当にできた!みたいな感じですね。

 オクラを収穫せずに種とり用に

大根を2種類違う品種を育てる

ー平日は神経を使う仕事

ふだんの仕事は医薬品の配送ですね。病院や薬局に処方箋がいる薬を運ぶ仕事。神経を使います。やっぱり人の命に関わる仕事ですし、薬剤師さんは職業上細やかなところがあるので、商品の扱いはもちろん、対応に気をつけないといけない。急いで届けることを求められることもありますし、無くしたらおおごとになる薬も運んでいますから。そんな仕事でもね、週末畑に来ればリフレッシュできます。

前は週末に子どもとテーマパークのアトラクションに乗るにしても、何分前に並ばないといけないって。そのたびに下調べをして準備をしていた。それもそれでエネルギーを使うじゃないですか。畑にしたらいつもの畑だからそういう意味で楽ですよね。たかが遊ぶのに、なんであそこまで張り詰めないといけないんだって。休日なのに休みじゃない。仕事より疲れる(笑

ー意外なプラスワンも

畑は行くとそのぶん疲れるだろうなと思ったんですけど、意外とそれがなくて。畑に来るとリフレッシュされてるんでしょうね。月曜日会社に行くときも疲れてるなとは思わない。前に、子どもと週末遊びに出かけて行列に並んだりしていたときは、子どもは満足なんだろうけど「明日仕事なんだよ」って思いながら、本当にくたびれていた。今はそのくたびれがないですね。

経済的にも、週末どこかに遊びに行くのが毎回続くとけっこうバカになんない。畑においてはあんまりお金はかからないなって。思わぬプラスワンがあったりして、実際そうなりましたね。

あと、夏痩せましたよ。会社の仲間に痩せたねってよく言われて、どっか体が悪くなっていたら嫌だなと思ったんですけど。健康診断の結果が前より良くて、オールAでした。それまでオールAなんて何年も取ったことなかったんですけど、引き締まったんだなって。夏が暑かったっていうのもあったんですが。農作業がきいたのかな。もともと痩せだったんですけど、途中からブクブク太り出して、内臓に問題があったり、2回検査で引っかかったりとあったんですけど。

ーとことんハマってしまった

移動には毎回1時間半くらいかかるんですけど、毎週、畝に植えたものをノートに書いて、写真を撮って記録しているんですよ。それを見ながら、そろそろ収穫か、種取りはどうする、次は何を植えようか、と考えていたらあっという間ですね。最初は適当にやっていこうと思った人でも、面白いことが見つかれば、自分もそうなんですけど、とことんはまっていく。自分の生活のペースを乱したくない人は、サクッとやって、サッと帰ることも可能じゃないですか。みんな自分なりの畑の向き合い方があって、自分次第で自由に取り組めるのがここのいい所ではないかと。

あと、小島さんのキャラもいいですよね。小島さんは頭がいい人なんだろうけど、ちょっと抜けてる感じが。こういう所を管理する人って、張り切ってピリピリしちゃいそうじゃないですか。全くないですよね(笑

そういうのが、安心できるかなって。適度なゆるさがいいですよね。けど、とことんやっても応えてくれるし。

一歩踏み込む場所としては最適だと思います。道具も貸してくれるし、種も用意してくれるし、何もわからない状態でOKですもんね。何回でも教えてくれますし。不勉強だって怒られることもないですし(笑

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コトモファームってどんなサービス?

一般的な企業に勤める人が、週末に土を触る作業をすることの意味が分かる記事。慶應義塾大学特任教授 小杉俊哉先生のインタビュー

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