「ホームレス農園」について
ありがたいことに当農園の代表である小島が著した本「ホームレス農園」を読まれて、農園へ問い合わせを下さる方がちらほらいらっしゃいます。
本の中に書かれている「NPO法人農スクール」と「体験農園コトモファーム」の関係がごちゃごちゃしており、問い合わせ先を混乱させてしまっていることがあるようです。
かくいう私も2年と半年ほど前、「NPO法人農スクール」に興味を持ち問い合わせ、いつの間にか「体験農園コトモファーム」の会員になっていました(笑)
今日は交通整理の意味も含め、「ホームレス農園」ついて、少し書きます。
「ホームレスをファーマーに」「農を食と職に」
「ホームレス農園」という題名は、著者小島が「NPO法人農スクール」でやっている農を使った就労支援活動から来ています。
「農スクール」はホームレス状態の方が再び社会に一歩踏み出すきっかけとなるべく始まりました。
「農スクール」のことだけじゃない、本に書かれた内容
この本に書かれたの内容は
(1)小島がどんな人間か
(2)農業にどう関わることになったか(オンラインショップ、体験農園コトモファームについて)
(3)農業とホームレスをなぜつなげようと思ったか、活動あれこれ(NPO農スクールについて)
(4)NPOや会社、構想全体について
と言ったところです。
小島のやっている活動は「農スクール」だけではなく、主に3つに分かれているのですが、
・「ホームレス農園」という題名が目を引くこと
・「農スクール」の活動がよくメディアに取り上げられていること
などを理由に「農スクール」の活動だけがよく知られるようになったのだと思います。
しかし、全体の構想はもっと面白く、オンラインショップも体験農園コトモファームもすごく社会的価値があると思います。
3つの活動の関係
3つの活動とも小島に紐付いているため分けて認識しづらいのですが、今現在は
・「オンラインショップ」「体験農園コトモファーム」は株式会社えと菜園
・「農スクール」の活動はNPO法人農スクール
と組織として分かれて行っており、どちらも代表は小島ですが、スタッフは別となっています。
かつて全て株式会社えと菜園の事業として行っていたこともあり、それも分かりづらさの原因にもなっていますね。
時系列をまとめると、このようになります。
以下、これら3つの活動についてそれぞれ少し説明します。
「買う」ことが「応援」。えと菜園オンラインショップ
農家さんたちは、自分で育てた作物も食べていますが、基本的には育てた作物を売り、そこで得たお金で生活しています。
また、売上を得ることで次の年もまた作物を育てることができます。
すごく当たり前のことを言ってますね(笑)
すごく簡単に言うと、オンラインショップでは小島さんが頑張って欲しいと思う農家さんの作物を農家直送で売っています。
環境に負荷をかけず、消費者の食の安全のみならず、畑や田んぼに住む生物の生態系なども考慮した持続可能な栽培方法(有機栽培や自然栽培など)でお米や野菜を育てられている農家さんたちになります。
様々な”農”効果。体験農園コトモファーム
「体験農園」とは単発の「農業体験」とは違い、週に1度程度農園に通い、農家からサポートを受けつつ、自分の区画を自分で耕したり、種を植えたり、収穫したりと年間通じて(長い人だと5年とか)農作業を行います。
それぞれの違いを例えて言うと、
・単発の「農業体験」は動物園に行って動物と親しむ。
・週末に通う「体験農園」は犬や猫、動物を飼う。
と言ったところでしょうか(逆にわかりづらい!?)
農業体験というよりか、貸し農園や市民農園に近いものですね。
体験農園には色々いいことがあるのですが、例えば
・気持ちがいい!
アウトドア好きな人など共感してもらえると思うのですが、週末人里離れ、土や草木などに囲まれた空間に行き、風を感じ、体を動かすのは気持ちがいいですよね。そういう気持ちよさがあります。
・収穫ができる!
ヒトの持つ本能的な喜びなのか、収穫してそれを食べるってなんだかとても充実感があります。
ここに焦点を絞ったのがサツマイモ掘り体験などの単発の農業体験ですね。あと単に美味しいです。
・達成感がある!
自分の手で野菜を育てたという達成感や自己効力感が得られますね。ここは何度も通って、自分の区画を持つことができる体験農園に固有の点ですね。
・満たされる!
あと、面白いことに手をかければかけるほど、野菜や自分が手を入れている畑に愛着が湧いてきます。なんだかとても愛おしくなってきます(笑)愛おしくなると何だかとても心が満たされます。
何千本のバラを前にした星の王子様も言っていました。
ーーーーーー
あのバラは、たった一輪でも、キミたち全員よりも重要なんだ。 なぜなら、ボクが、水をやったり、ついたてを立てたり、ガラスの器をかぶせたりして世話をしたからだ。
ボクは、あのバラのために、毛虫だってやっつけてあげたんだ
――二、三匹は、蝶々にするために残しておいたけど。
不平不満だって聞いてあげたし、自慢するのにだって付き合ってあげた。
バラが、黙りこくっても、我慢してそばにいてあげた。
だって、ボクのバラだからね。
ーーーーーー
(「星の王子様」サン=テグジュペリ著 新潮社)
愛おしいから手をかけるのではなく、手をかけるから愛おしくなってくる。
お、今いいこと言いましたね(笑)
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ハイ、まあ、そう言った体験農園などで得られる色んないい効果を我々は農効果と呼んでいます。
そう言った農効果を楽しんでもらうのが「体験農園コトモファーム」になります。
自身の手でこだわりを持つ農家さんと同じやり方(有機栽培や自然栽培に則したやり方)で野菜を育てる経験をしてもらうことで、こだわりを持って農作物を育てている農家さんへの理解も育っていけばいいなという思いもあります。
農を食と職に。農スクール
働きたいけど働けないというホームレス状態の方と、手が足りない、後継者がいないという農業界をつなげるために始まったのが農スクールです。
農スクールでは一緒に農作業を行うことで農業の技術を身につけてもらいます。
また、農効果の中に「達成感が得られる」があると上に記しましたが、自分たちの手で畑に働きかけ、野菜を育てるという経験をしてもらうことで、自信を取り戻してもらえればと思っています。
そういった思いで始まった活動ですが、だんだんと幅が広がってきました。
最近ではホームレス状態の方でなくとも、例えば長く引きこもり状態であった方が通われたりしています。
また、働くことが絶対とも考えず、農を通じて何かしら一歩踏み出すサポートになればいいなと活動しています。
理想としては、農スクールで農業の技術や自信を取り戻した人が、後継者や人手が足りない農業界で働くようになったり、コトモファームの農園管理を行うスタッフとして働くようになったりすることです。
(現状ではコトモファームは新たに人を雇える程の規模ではないため、新たに人が雇える規模になるため日々サービス向上に取り組んでいます。)
実際にこれまで、農スクールを卒業し、農業界で働くようになった方もいらっしゃいます。
まとめ
本「ホームレス農園」には以上3つのことを小島がどのような思いで始めたか、そもそも小島はどんな人なのかなどが書かれています。
えと菜園オンラインショップでは、次世代や環境、また消費者の食の安全を守る農家さんを、農作物を売ることで応援し
コトモファームでは、農を楽しんでもらい、こだわりを持つ農家さんへの理解者を増やし
農スクールでは、働きたくても働けなかった人と人材不足の農業界をつなぎ、また農効果で社会に出るサポートをする
どこかにシワ寄せすることなく、関わる全ての人、さらには次世代にとっても良いやり方でやっています。
うーむ小島さんやるな。。。
さてさて、初めの目的に「交通整理」と書きましたが、
お問い合わせをして頂く際は、それぞれ別のHPよりお願い致します。(わざわざすみません)
熊本のこだわり農家さんの商品購入など、
こだわりの農法で自分の手で野菜を育ててみたいなど、
農スクール参加、農福連携など、
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